(10月5日更新)
今回の話は交渉術と一貫性についてです。一貫性とは簡単に説明すると人間は自分が取った行動や発言に対して意義や正義感を持ちたがってしまうという性質ですが、今回はそれを交渉の際や頼みごとの際に転用するにはどうすればいいのかを説明したいと思います。
このテクニックを使うだけでも成功率が二倍以上に上がる場合や、それ以上の効果がある時もあるのでぜひ活用してみてはどうでしょうか?
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【【【 】】】まずは相手にYESと言わせるべし
まず紹介するのは簡単な質問や楽な頼み事でもいいので相手に「YES」と答えさせてから本題の頼みごとをするというテクニック。
心理学ではフットインザドアテクニック(段階的要請法)と呼ばれています。
このテクニックは1966年にジョナサンフリードマンとスコットフレイザーのとある研究によって明らかになりました。
その内容はある研究者がボランティアを称してカリフォルニア州の住宅地を回り、家主に「安全運転をしよう!」と下手な字で書かれた看板を公共のためにおかせてくれないか?と一軒一軒尋ねたものになります。さらにはその看板は家の外観が損なわれてしまうほどに大きく、OKが出やすい頼み事ではありませんでした。
そこでフリードマンとフレイザーはどうしたら要求をのませられるか?を研究したんですね。
普通にお願いしたグループでは多くが断りましたが(承諾率は17%)なんとあるグループは普通にお願いしたグループよりも好意的な反応を見せ、なんと76%もの人々がOKを出してしまいました。
そのグループは実は二週間前に小さな要求を受けた人で安全運転に関してコミットメントをしていたんですね。
どんな要求をされたかというと、「安全運転をするドライバーになろう」と書かれた小さなシールを貼ってほしいとのことでこの要求はかなりの人に要求を呑んでもらえました。
しかしなぜその後の大きい要求を呑んでしまったのかを考えていきます。
一貫性とコミットメント
話の続きですが、要求を受け入れた人々に何が起こったのかをざっくり説明すると
自分が安全運転志向であると認識してしまったということです。彼らの頭の中では
「今回のお願いは看板の字もダサいし家が隠れちゃうから断ろうかなー、、、、いや、でもこの前自分は安全運転のシールを貼るお願いをされてるし今もそうしてるなぁ。ってことは自分は安全運転に対してコミットしてるということじゃないか!それなら自分のイメージを変えたくないし今回もしょうがないか。」
とこのように脳は素早く認識してしまうわけです。
「コミットメント」とは様々な意味を持ちますが約束という意味を持ち、総合的には責任をもって関わるという意味合いで使用されています。ここで一貫性の法則が働くわけです。
この記事の最初でも軽く説明しましたが一貫性の法則とは
人間は自分の行動や発言に対して責任や正義感を感じてしまうというもの。さらに詳しく説明すると
他人からの自分へのイメージを保ち続けようとしてしまうことでもあります。
このせいで被験者たちの多くは自分が安全運転志向であると思わされてしまったんです。
これらの結果に対してフリードマンとフレイザーらは次のように述べています。
物事に関わり合うことや行為を遂行することについての感情に変化が起こったらしい。いったん依頼に応じると考え方が変わり、自分のことを知らぬ人からの頼みに応じ、正しいと信じていることを実行し、もっともな理由がある運動には協力する、そうゆう類のことをする人間なのだとみなすようになるのだろう。 引用:影響力の武器
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【【【 】】】応用するには
この知識には様々な場面で使えると思います。例えば友達に英語の宿題の手伝いにしてほしいとします。この場合はまず事前に少し口頭でわからないことを質問してみます。そして感謝をして少し時間を空けてから手伝ってほしい、と頼み込むのです。
ここでは「めんどくさいな。でもさっき教えてすごく感謝されたしここで断るのは申し訳ない。じゃあ受けよう!」
とこのように脳内で認識されます。成功率を上げるにはご褒美もあげてもいいかもしれません。この他も使える場面はそこら中にあるのでぜひ使ってみてください。
逆にこの手口から身を守る方法は、最初の簡単なお願いに注意することです。だいたい訪問販売や定期購読の場合初回は無料であったり格安なことが多くさらに契約を破棄するのに最低でも2か月以上かかることが多く、この間に我々はそのサービスに対し
コミットしてしまっているのです。期間が長ければ長いほど断りにくくなってしまうので(初めから望んだ場合は構いませんが)
迷うくらいならお試しも受けないことをお勧めします。
おわりに
いかがだったでしょうか?このテクニックは本当に身の回りで使えますし、逆に自分を守る武器にもなりうるかと思います。
ぜひ使ってみてくだいね。皆さんの判断に委ねますがよろしければTwitterやInstagramのストーリーなどで共有していただければ幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!