皆さんには「ドツボにハマる」といった経験はないでしょうか?
結論から言うと実際に人間は負け始めたりすると理性的に判断をすることが難しくなってしまうのです。
ギャンブルでも負け始めると止まらなくなるなんて1度は聞いたことがあると思います。というわけで今回はなぜ負け始めると止まらないのか、さらに深く関連するプロスペクト理論や損失回避も紹介したいと思います。
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【【【 】】】プロスペクト理論
今回紹介するのはプロスペクト理論という理論で
人間は利益を得られる時は確実性を重視し、損失を背負っている時はリスクを取りやすくなる
というもの。
この理論は行動経済学者のダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーらによって発見された理論で、彼らは被験者たちにいくつか質問をひとつずつしていきました。その内容は
Q1あなたは次のうちどちらを選びますか?
- 無条件で90ドルが手に入る
- 90%の確率で100ドル手に入るが外れたらなにも得られない
Q2あなたは200ドルの負債を背負っているとします。その場合次の提案でどちらを取りますか?
- 無条件で100ドル負債が減額される
- コインを投げ、表が出れば負債は全額免除
質問1と2ではどちらの選択肢でも同じ期待値です。にも関わらず質問1ではかなりの人が確実に90ドルを取りました。
さらに質問2に移ると多数派がギャンブルをしてでも全額負債免除を狙ってしまいました。
恐らく皆さんもこれらの質問を考えた時には多数派の人々と同じ選択をしてしまったのではないでしょうか?
でもなぜ期待値が同じにもかかわらず選択が偏ってしまったのでしょう。それでは説明していきます。」
損失回避とリスク追求
質問1においては人間の損失回避という性質が働きます。
どんな内容か説明すると
人間は同じものでも得ることよりも失うことの大きさの方がより大きな出来事に感じる
ということです。日本語が複雑で申し訳ないですが、要は人は損失を恐れる存在であるというように抑えてもらえたら大丈夫です。
以下の画像は人間の損得に対する心理的価値を表したものになります。
この関数からわかることは0~100ドルの間の傾きの大きさよりも-0~100ドルの時のほうが大きいことが分かります。
なので初めは損のほうがとてもイヤーな出来事に思えてしまうんですね。なので質問1では人々は確実に利益をとったこともプロスペクト理論で説明がつきます。しかしこの実験にはまだ続きがあるんです!
質問2になると人々の選択や思考が一変します。
-200ドルからの曲線を見ると急に傾きが緩やかになっていることが分かります。
ということは
ある程度の負債やマイナスを背負っていると損失回避ではなく逆にリスクを追求してしまうようになってしまうんです。
これが質問2で人々が賭けに乗ってしまったことが分かります。200ドルを負債したことで
「負債しているのは嫌だからなんとしてでも返してやろう!」
と思ってしまったわけです。カジノやギャンブルでも一度負け始めるとリスク追求的になってしまい合理的な判断をすることが難しくなってしまうんですね。
参考文献:ファスト&スロー あなたの意志はどのように決まるか? 上下
ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ文庫NF ハヤカワ・ノンフィクション文庫) [ ダニエル・カーネマン ] 価格:907円 |
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【【【 】】】日常生活での応用例
プロスペクト理論や損失回避は様々な場合に応用可能です。というのも損失や利益はお金だけでなく様々な種類があるからです。
例えば僕であればテニスの試合で立ち上がりが悪く最初から数ゲーム相手に多く取られてしまったことがあります。でも僕はそうゆう場面でなぜかリスキーなボールを打ってしまったりむやみやたらに攻めてしまったことがありましたが、今回の理論を学んでその理由がよくわかりました。(笑)
「やばいやばい!早く一本ぶち込んで挽回しないと、、、、。」
と冷静になることができていなかったんですね。
とテニスでの試合の例を紹介しましたが、他にも給料日になり最初は使ってなかったけど一度使い始めると、
「もう使っちゃったからいいや!」と言って出費が止まらなくなり気づいたらすっからかんになってたなんて場合もよく聞きます。
なので皆さんとしてはお金が絡む場合など損得がある場面で使えるかと思います。
おわりに
いかがでしたか?今回はなぜ人間がドツボにはまるかを心理学や経済学に基づいて書いてみました。
プロスペクト理論や損失回避の性質は皆さんの意思決定に大いに役立つ知識だと思います。
特に自分に何か損を背負っているといつもよりもリスクをとりがちなんだなーってことを思い出すだけでも誤った選択は防げるかと。
ぜひ活用してみてください!
よろしければSNSなどで共有していただけたら幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました!